測定した枕なのに合わないことはあります
売り場では、「測ってもらった枕なのに合わない」「オーダー枕なのにしっくりこない」というご相談があります。
高額な枕ほど期待も大きくなりやすいため、合わなかった時のがっかり感も大きくなりやすいです。実際にお話をうかがうと、「測定したのに失敗だったのでは」と感じている方も少なくありません。
ただ、測定した枕が合わないからといって、測定そのものが無意味だったとは限りません。測定は大事ですが、それだけで枕の合う・合わないがすべて決まるわけでもありません。
測定はスタート地点です
測定は、枕選びの出発点としてとても大切です。
お店によって見方は違いますが、首の高さ、頭の形、肩幅、体格などは、測定や確認である程度整理できます。自分だけで高さを判断するのが難しい方にとっては、かなり役立つ情報になります。
ただし、実際に寝た時の感覚、寝返りのしやすさ、横向き寝の割合、自宅の敷布団やマットレスとの相性までは、測定だけでは分かりにくいことがあります。
そのため、測定値は枕選びの目安にはなりますが、最終的には寝た状態で確認しながら調整していく必要があります。
理由1:自宅の敷布団やマットレスと条件が違う
店頭で測定した環境と、自宅の寝具環境は違うことが多いです。
敷布団やマットレスの硬さ、沈み込み方が変わると、必要な枕の高さも変わります。店頭ではちょうど良く感じても、自宅では高く感じたり、逆に低く感じたりすることがあります。
特に、柔らかいマットレスでは肩や体が沈み込みやすくなります。すると、同じ枕でも高さの感じ方が変わりやすくなります。実際の売り場でも、「お店では良かったのに、自宅では合わない」というご相談は珍しくありません。
こういう時は、枕だけの問題ではなく、自宅の敷布団やマットレスとの条件差が関係していることがあります。
理由2:横向き寝の割合が考慮されていない
測定した枕が合わないと感じる方の中には、横向きで寝る時間が長いことが見落とされているケースがあります。
実際には横向きで寝る時間が長い方も多いですが、ご本人が最初から「横向き寝が関係している」と気づいているケースはそれほど多くありません。お話をうかがうと、肩の圧迫感や腕のしびれ、腕が冷たい感じなどがあることが分かる場合もあります。
仰向け中心で測定や調整をすると、横向きになった時に高さが足りなく感じることがあります。横向き寝では肩幅ぶんの高さが必要になるため、仰向けだけで判断しないことが大切です。
理由3:測定時と一晩寝たときでは感じ方が違う
店頭で枕を試す時間は、どうしても限られます。数分寝た時には良く感じても、一晩の中では仰向けと横向きを行き来したり、何度も寝返りをしたりします。
そのため、寝た瞬間は問題なく感じても、朝起きた時に違和感が出ることがあります。実際の売り場でも、「その場では良かった」「でも家で寝たらしっくりこなかった」というご相談はあります。
短時間の確認だけでなく、寝返りのしやすさや姿勢の変化まで見ておくことが大切です。
理由4:好みや慣れは測定だけでは分かりにくい
測定値としては合っていても、本人の好みや慣れと合わないことがあります。
低めが好きな方もいれば、高めが好きな方もいます。しっかり支えられている感じが好きな方もいれば、柔らかい感触を好む方もいます。
ただし、好みだけで選ぶと高さが合わないこともあります。実際の売り場でも、「気持ちいい」と感じた高さが、必ずしもその方の寝姿勢に合っているとは限らないことがあります。
大切なのは、測定値と実際の感覚の両方を確認することです。測定値を目安にしながら、本人の感じ方と実際の寝姿勢をすり合わせていくことが必要になります。
理由5:枕の中材や使い方で変化する
枕は、買った時のままずっと同じ状態とは限りません。
ウレタン、パイプ、わたなど、中材によってへたり方や高さの変化は違います。最初は合っていた枕でも、使っているうちに少しずつ高さが変わることがあります。
また、中材が片寄ることで、寝心地が変わることもあります。高さ調整ができる枕でも、使い方や使っている期間によって感じ方が変わることがあります。
そのため、購入直後だけではなく、使い続けたあとの状態も含めて見る必要があります。
売り場では測定値だけでなく寝姿勢を確認します
寝具店の接客では、測定値だけで枕を決めるのではなく、実際に寝た状態を確認します。
特に見ることが多いのは、次のようなポイントです。
- 仰向けで首が持ち上がりすぎていないか
- 顎が上がりすぎていないか
- 顎が引けすぎていないか
- 横向きで首が傾きすぎていないか
- 寝返りしやすいか
- 横向きで肩に圧迫感が出ていないか
ここで大事なのは、測定値に合わせることではありません。測定値を目安にしながら、その人の寝姿勢に合わせて調整することです。
測定した枕が合わないときに見直したいこと
購入後に合わないと感じたときは、すぐに失敗と決めつけず、次の点を確認してみると整理しやすくなります。
- 自宅の敷布団やマットレスとの相性
- 仰向けと横向きの両方で合っているか
- 寝返りしやすいか
- 高さ調整ができる枕なら調整したか
- 中材が片寄っていないか
- 使い始めてどれくらい経っているか
実際の売り場でも、こうした点を一つずつ整理すると、「測定が悪かった」のではなく、「使う条件が違っていた」「調整がまだ必要だった」という形で見えてくることがあります。
まとめ
測定した枕が合わないからといって、測定が無意味だったとは限りません。
測定は枕選びのスタート地点です。大切なのは、測定値だけで判断せず、実際の寝姿勢、寝返り、横向き寝、自宅の敷布団やマットレスとの相性まで見ていくことです。
枕は頭を乗せるものではなく、首を支えるものです。測定した枕が合わないと感じたときほど、枕だけで考えず、寝姿勢や敷布団・マットレスとの相性まで含めて確認してみてください。
関連記事
- [寝具店店長が教える失敗しない枕の選び方]
- [オーダー枕は本当に必要?|寝具店店長が選び方を解説]
- [枕を何個買っても合わない人の共通点]
- [横向き寝に合う枕の選び方]
- [高すぎる枕とは?|寝具店店長が起こりやすい不調と見分け方を解説]

コメント